こんにちは、テックです。
昨今の生成AIの勢いは凄まじいものがあり、昨日できなかったものが今日できるというような進化を見せています。
文章、イラスト、音楽の質はプロ顔負けで、どんなジャンルでもネタに併せて一瞬で作り上げてしまいます。
これとかお洒落すぎるでしょう。
ひとつのネタを徹底的に擦る(この場合はゲームのカード落としちゃった)というのも一昔前のネットミームを感じさせますね。
ただ、これが文化として何かを残すかと言われるとはっきり答えられないのも確か。
今回はクリエイティブな分野に絞って、生成AIがもたらした影響について考察したいと思います。
生成AIがもたらしたもの
生成AIは、一見すると人間が作る以上の優れた創作物を一瞬で生み出すことができます。
絵画や音楽、文章に至るまでぱっと見では非常にクオリティが高く、専門家でも一瞬では見分けがつかなくなってきていると言います。
それはネットという膨大なるデータベースに星の数ほどある「人間の生み出したもの」をAIが食いまくって蓄えた成果と呼べるでしょう。
よく各国の平均顔という画像があるけど、あんな感じで実際には存在しないけど、万人がこれと思うのに近い感覚でしょうか。
もちろん、人が作る芸術だって先人の創作物を真似(ある意味、均して)して作り出された事には違いないのだから、その差は哲学的な議論にまで発展しかねません。
2010年代のネットミームとの違い
冒頭で紹介した動画に近い動きがあります。
それはニコニコ動画やPixiv、Twitter(現X)といった特定の場所でのみの言語文脈で生み出された作品群。
いわゆるネットミームと呼ばれることもありますが、その時々の文化や流行を反映し、人々の間で内輪ネタのようにまるでスラングのように独自進化していった芸術文化です。
その時、その場所と空間でのみ感じられる共通の美意識というものが確かにありました。
本筋とあまり関係ないけどミームとは元々「利己的な遺伝子」内でリチャード・ドーキンスが作り出した概念ですね。
ミーム(meme)とは、脳内に保存され、他の脳へ複製可能な情報であり、例えば習慣や技能、物語といった社会的、文化的な情報である。
一見ひとつのネタを擦ると言う意味でそれらに似ているのだけど、それはあくまでAIに対しプロンプトを投げる人間側の意思であり、AI作品自体に前向きな推進力は無いように思います。
それは現状では、AIが過去のものを食い潰しているだけだからでしょうか。
生成AIブームを漠然とAIの進化と捉え、人類と技術(AI)の関わり方という方向で語る人が大量発生してるけどそもそも種類が違う
— そのひと (@tttttttttsasddy) December 26, 2023
盗む人と盗まれる人の話題だよ
AIというワードは詐欺の文言
ここ踏まえてない人は、ただ情報不足のまま妄想に浸ってるだけ
それでもある程度影響される人もいるから質が悪い
件のAIアートスクールの大炎上を始め、こういった強い批判を見るに「創るということ」に対してヒトという生き物はなにか殊更強い忠義心があるようです。
アンチテーゼ
生成AIの進化に対して、芸術家たちからのアンチテーゼも出てきています。
例えば、一部のアーティストはデータポイズニングと呼ばれる手法を使って、自身の作品が無断でAIに学習されるのを防ぐ動きを見せています。
この方法により、AIが学習するデータを意図的に改変し、生成AIの精度を下げることができるそうです。
でもこれはいたちごっこな気がするなー。
当然、AIの開発者たちはなんとかする方法を考えてくるでしょう。
確かに現状はAIで出されたイラストが「これは○○さんっぽいな」とかわかってしまうことが多いので、作家さんも良い気はしないでしょうね。
私も絵を描くから気持ちはわかります。
話がループするけど、「これは○○さんっぽいな」は対人間の作品でもある話なので、もはやクオリアレベルで難しい禅問答のような話です。
ある意味で一番怖いのはAIがAIを学習し始めて、人間には理解できないものが生み出されるときかもしれないですね。(いわゆるシンギュラリティなのでしょうか)
ここまで書くとテックがあたかもアンチAI派なのかと思われるかもしれませんが、そうではありません。
むしろAIは時代の流れに乗り、更に進化して人間を楽にすべきと思っています。
ここが決定的に芸術と異なる点かもしれない。ホントの芸術は人間を楽にしない。
まとめ
考えてみたけど、結局まったく答えが出ませんでしたw
ただ月並みですが、ヒトの作るものにはやっぱり心がある気がします(白目)
こんな素敵な作品ですら将来は学習されてAIが作り出すのかもしれないけど、現時点では人間にしか創れないだろうし、その僅かな時間的差を豊かなものとして享受するしか無いのかもしれませんね。(要約:このアニメーションに強く感動した)